僕が生まれた場所、愛媛のみかん農家のプライドを伝えるために、僕は愛媛みかんを食べています。

僕は、愛媛県の大三島という自然豊かな場所のみかん農家に生まれ、育ちました。
大三島は、日本でも珍しく、「大山積の神(山の神:大山祇神社)」と「和多志の神(海の神:三島水軍)」の両方が祀られている「神の島」と言われている島です。

愛媛県の農業高校を卒業後、僕は次男ということもあり、東京で働くようになり、みかんはスーパーで買ったものを食べることもありましたが、小さい頃に父が選んでくれ、食べていたみかんの味とは全く別のものでした。

僕にとってのみかんの味は、父が選んでくれたものなんだなぁ!ということを初めて知ることになりました。
同時にそのみかんの味が普通と思っていることが、とても贅沢なことなのかも知れないとも思いました。

40才になった時、愛媛の農業高校の同窓会があり、僕も参加することになりました。
農業高校ということもあり、ほとんどの友人はみかん農家を営んでいました。

皆、自分の家のみかん山を受け継ぎ、みんな立派な農家になっていました。

友人に「父が選んでくれたみかんが美味しかったこと」「スーパーで買う愛媛みかんが美味しくないこと」を聞いてみると、友人は一言「当たり前やろ!」と言います。

理由を聞くと
スーパーに並ぶまでに最低8日間は経っていること。
いろんなみかん農家のみかんが混在していること。
選別の基準が見た目と糖度が中心となっていること。

その理由が、買う側の利便性や好みに応えるためにそのようになっているとのことでした。

僕と同じように、ただ美味しいみかんを食べたい!と思っている人もいると思うと、聞いてみると、

友人は寂しそうに「食べる側も、売る側も分かってないんじゃ!」と言います。

友人に、どうしたら都市に住む僕らは美味しいみかんを食べられるのか?聞いてみると、
「そんなん簡単や。俺が作ったみかんを直接買えばええんや。」
「そうしたら、俺が直接管理して、選んだ、美味しいみかんを食べられる」と当たり前のように言いました。

僕は、友人の話を聞いて、父が選んでくれたみかんが何故美味しかったのか?その理由が分かりました。

友人の話から、美味しいみかんを食べる方法を整理すると、

・みかん農家から直接買うこと。
・みかん農家が美味しいと思うタイミングで買うこと。
・みかん農家が自分で選別したみかんを買うこと。
・みかんの見た目を気にしないこと。

つまり、美味しいみかんを作る農家の言うことに従って直接買うことです。

みかん農家で育った僕にとっては、至って普通のことでしたが、その普通のことが一般に買う人にができないという現実になっていました。

特に愛媛県はみかんの有名産地で、生産技術(肥料や管理方法)や光センサーを活用した選別などの革新も進んでおり、安定した味のみかんを消費者にお届けできるようになっています。
その一方で、僕が食べたい美味しいみかんは買えなくなっています。

そして、同窓会の日に、僕はそのみかんを食べ続けたいので、農家から直接買えるようにしようと友人と決めました。

今では、農家が自分で選別したみかんという位置づけで、愛媛の美味しいみかんを求める人たちにもお届けできるようになりました。

農家の人がこれ美味しいから食べてみろ!と言われ、本当に美味しかったいう、経験はありませんか?

それは、偶然ではありません。

毎日、美味しいものを作りたいと真剣に向き合い、自分の目と手、五感のすべて使って作っている農家だから、最新の技術とは別のアンテナで見極めているのです。
愛媛のみかん農家のプライドを感じながら、愛媛みかんを食べていただければ嬉しく思います。